ミニシアター宣言

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ミニシアター宣言
昔はミニシアターによく行っていませんでしたか?
映画のポスターを部屋に飾ったりしていませんでしたか?
※本記事は、ザ・シネマホームページ2020年3月10日掲載コラムを加筆・再編集したものです。

 80年代から90年代、東京だけでも、たくさんのミニシアターや上映スペースがありました。BOWシリーズのシャンテシネ、昼間からカクテルを提供するバースタンドがあったシネ・ヴィヴァン・六本木、おしゃれなタテ長パンフレットのシネマライズなどを筆頭に、まだ四谷三丁目にあった頃のイメージフォーラム、俳優座シネマテン、三百人劇場、桜丘のユーロスペース、西武のシードホール、老舗の岩波ホールや早稲田松竹、文芸坐、新宿と中野の武蔵野館、銀座の並木座、表参道のキノ青山、はたまた、靴を脱いで座椅子で観る、早稲田のACTミニシアター、池袋のACT SEIGEI THEATER、アテネフランセや日仏学院での字幕無しの上映、ライブなどもあった吉祥寺のバウスシアター、それから足を延ばせば、川崎市民ミュージアムでの大規模な上映展もありました。

 満席のオールナイト上映や、フィルムトラブルでの上映中断などを思い出す人もいるでしょう。やがて、チェーン化、ミニシアター系の作品から大ヒット作が出るなどを経て、作品の高騰や建物の期限、そのほか様々な変化や事情によって、これらのスクリーンの多くは無くなっていき、あるいは形態を変えていきました。

 ミニシアターによく行っていた多くの人達も、社会に出て観る時間が無くなったり、生活の変化によって優先順位が変わったりして、いつのまにかミニシアターから足が遠のいているのではないでしょうか。

 ただ、ふとした拍子に思い出す、あの雰囲気。ちょっと観たくなる、ある種の映画群。
ところがDVDを買うほどの気分ではなかったり、リバイバル上映にはスケジュールが合わなかったり、さらには大手配信サービスを検索しても見つからなかったり。

 映画はスクリーンで見るのが最高なのはわかっているけれど、他のやりかたで、今もう一度、あの頃のミニシアターみたいなものができないものか…。そんな想いで、ザ・シネマメンバーズという配信サービスのコンセプトを2020年4月、リニューアルすることにしました。

 そこへ行けば、自分が好きそうなものが見つかる、そんな場所。例えば、服でも本でも音楽でも必ずチェックする棚やコーナー、ありますよね?そこが充実していたら、自分にとってのお気に入りの店になっていくという感覚。この配信サービスでは、アプリを立ち上げたら自分に関係がある作品しか並んでいないと思っていただける、そう期待していただける“棚”を目指したい。毎月、新たにお届けする作品は、ごく限られた本数になりますが、しっかりとセレクトした作品のみを提供。月額500円(税別)で、好きな時に好きな場所で観られる、デジタル上のミニシアターです。

 配信開始した作品は、一定の期間ザ・シネマメンバーズの中にありますので、毎月、新しい作品が追加されていくにつれ、作品の配信期間が月を追うごとにズレながら重なりあい、時間をかけてグラデーションとなった作品群が、このデジタル上の劇場のラインナップを彩っていきます。もちろん、配信期間が切れていく作品も出てきます。こうして常時30タイトルが揃う頃には、毎月配信開始する作品とともに終了する作品があり、ラインナップが変化し続ける劇場の形が実現します。

配信系ミニシアター、ザ・シネマメンバーズにどうぞご期待ください。

現在、エリック・ロメール、ツァイ・ミンリャン作品ほか、好評配信中です!

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